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増刊号 腎代替療法のすべて
【第10章 腎移植】
4 その他 ④既存抗体陽性症例に対する腎移植
Kidney transplantation in patients with preformed donor-specific anti-HLA antibodies
井手 健太郎
1
,
大段 秀樹
1
Ide Kentaro
1
,
Ohdan Hideki
1
1広島大学大学院医系科学研究科消化器・移植外科学
キーワード:
クロスマッチ陽性
,
抗体関連型拒絶反応
,
脱感作療法
,
リツキシマブ
,
ボルテゾミブ
Keyword:
クロスマッチ陽性
,
抗体関連型拒絶反応
,
脱感作療法
,
リツキシマブ
,
ボルテゾミブ
pp.699-702
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000529
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はじめに
従来は禁忌であったABO血液型不適合症例に対しては移植前に脱感作療法を行うことで抗体関連型拒絶反応(antibody-mediated rejection:ABMR)は制御可能となり,現在では血液型適合移植症例の成績と同等の結果が得られるようになった。しかし,レシピエントが移植前からドナー特異的抗体,特にドナーヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)に対する抗体(donor specific antibody:DSA)を有している既存抗体陽性症例においては,いまだABMRの制御は困難となる場合がある。ABMRは移植腎廃絶の主要な原因であるため,移植前の既存抗体の陰性化(脱感作)は移植腎予後を占ううえできわめて重要となる。本稿では既存抗体陽性症例に対する脱感作療法について概説する。
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