Japanese
English
増刊号 腎代替療法のすべて
【第10章 腎移植】
3 拒絶反応とその治療
Rejection of kidney transplantation and treatment
渕之上 昌平
1
Fuchinoue Shohei
1
1日高病院腎臓外科
キーワード:
Kidney transplantation
,
Rejection
,
Antibody mediated rejection
,
T-cell mediated rejection
Keyword:
Kidney transplantation
,
Rejection
,
Antibody mediated rejection
,
T-cell mediated rejection
pp.679-683
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000525
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はじめに
近年免疫抑制法などの進歩により腎移植後の成績は飛躍的に進歩し,今日では末期腎不全の根本的治療法として確立されてきている。日本移植学会のファクトブックによれば,最近(2001~2009年)の1年,5年の生着率はそれぞれ97.5%,93.2%と高く維持されているが,10年,15年の生着率はそれぞれ83.9%,71.0%とそれほど改善はみられていない(図)1)。移植腎の廃絶の原因としてはどの時期においても慢性拒絶反応による移植腎廃絶が最多であり,急性拒絶反応はその頻度は慢性拒絶反応に比べ低いが,全体では慢性拒絶反応に次いで2位となっている(表1,表21))。急性拒絶反応の不十分な治療は慢性拒絶反応の引き金となる可能性も示唆されているので,拒絶反応に対する対処は重要なものとなってくる。本稿では,腎移植後の拒絶反応とその治療法について解説する。
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