今月の主題 人工透析か腎移植か
腎移植後の対策
拒絶反応の診断
中根 佳宏
1
1京府医大第2外科
pp.1444-1445
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208059
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はじめに
腎移植における急性拒絶反応は突然出現し,急激な腎機能低下を招来する.この拒絶反応に伴って,種々な臨床症状が観察されるが,これは同種移植免疫反応に由来する症状と,腎機能低下に基づく症状に大別される,しかし,これらの症状は決して一律に出現するものではなく,症例によってきわめて多彩である.このために,拒絶反応の診断には難渋することが多い,とくに,拒絶反応は早期に治療を行えば,ステロイドの大量投与で完全な寛解が可能であるのに反し,治療の開始時期が遅れた症例では,機能欠損を残したり,移植腎を廃絶に至らしむる1).したがって,腎移植における拒絶反応は,早期診断と迅速な治療が何よりも必要であるといえる.
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