Japanese
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増刊号 腎代替療法のすべて
【第10章 腎移植】
2 レシピエント ⑤合併症 3)悪性腫瘍
Malignant tumor in renal transplantation
吉田 一成
1,2
Yoshida Kazunari
1,2
1医療法人社団麗星会
2北里大学医学部泌尿器科学
キーワード:
悪性腫瘍(malignancy)
,
腎移植後(post renal transplant)
,
癌スクリーニング(cancer screening)
,
待機期間(waiting time)
,
オンコウイルス(oncogenic virus)
,
癌治療(cancer treatment)
Keyword:
悪性腫瘍(malignancy)
,
腎移植後(post renal transplant)
,
癌スクリーニング(cancer screening)
,
待機期間(waiting time)
,
オンコウイルス(oncogenic virus)
,
癌治療(cancer treatment)
pp.672-678
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000524
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はじめに
近年,免疫抑制薬の進歩を中心とした腎移植の治療法の進化により移植後生着期間が延長されるに伴い,腎移植後の悪性腫瘍の発生とdeath with functioning graft(DFG,移植腎は機能しているにもかかわらず,腎不全以外の原因での死亡例)の増加が問題となっている。腎移植後の悪性腫瘍の発生率は一般より数倍高いといわれており,腎移植における癌死はDFGの注目すべき原因の1つである。癌の早期発見,早期治療は腎移植後生存率改善のために重要である。免疫抑制下での発癌には発癌性ウイルス(オンコウイルス:oncogenic virus)の関与もあり,癌を発生した腎移植患者の免疫抑制療法には微妙な調整を要する。本稿では腎移植後の悪性腫瘍の発生,因子,種類,診断と治療について述べ,腎移植治療のさらなる発展への寄与を目指す。
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