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増刊号 腎代替療法のすべて
【第4章 血液透析,血液透析濾過】
11 急性血液浄化療法における治療機器および注意点 ③透析器・濾過器と抗凝固薬
Therapeutic devices and cautions in acute blood purification;dialyzers/hemofilters and anticoagulant drugs
藤原 亮
1
Fujiwara Akira
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科/血液浄化療法部
キーワード:
CRRT
,
血液濾過器
,
AN69ST膜
,
サイトカイン
,
ナファモスタット
Keyword:
CRRT
,
血液濾過器
,
AN69ST膜
,
サイトカイン
,
ナファモスタット
pp.254-257
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000438
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はじめに
急性腎障害(acute kidney injury:AKI)や慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の急性増悪時には血液浄化療法が必要となることが少なくない。その際に選択される血液浄化療法には,持続的腎代替療法(continuous renal replacement therapy:CRRT)または間欠的腎代替療法(intermittent renal replacement therapy:IRRT)がある。CRRTとIRRTを比較したRCT(ランダム化比較試験)やメタ解析からは死亡率に差があることを示したものは存在しない。「AKIに対して血液浄化療法は持続,間欠のどちらを選択すべきか?」という問いに対して,AKI診療ガイドライン20161),日本版敗血症診療ガイドライン2020,KDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcomes)ガイドライン2012のいずれにおいても「どちらを選択しても構わない」としている。一方で,循環動態が不安定な症例に対しては,エビデンスに乏しいながらも「CRRTが望ましい」としている。しかし,CRRTは長時間の拘束による患者の負担,24時間監視体制による医療スタッフの負担,施設整備の必要性,長時間の抗凝固薬使用による出血リスクなどデメリットも多い。本稿では急性血液浄化療法におけるCRRTに焦点を絞り,透析器・濾過器および抗凝固薬について解説する。
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