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特集 腎性貧血:HIF-PH阻害薬への期待と課題
【総論:CKD患者の貧血治療の変遷】
鉄管理に関する考え方
How to manage iron status in patients with CKD
濱野 高行
1
HAMANO Takayuki
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 腎臓内科
キーワード:
indication bias
,
PIVOTAL研究
,
心筋内鉄欠乏
Keyword:
indication bias
,
PIVOTAL研究
,
心筋内鉄欠乏
pp.164-170
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000254
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Ⅰ はじめに―観察研究に入り込むindication bias
一般の病院で調べると,ビスホスホネート製剤を投与されている患者は,投与されていない患者よりも新規骨折が起こりやすいという結果になる。なぜだろうか? それは,そもそもこの薬剤を投与されるのは,骨折リスクが高いからであり,ビスホスホネート製剤を投与されていても,そのような患者で新規骨折が起こりやすいのは当然といえよう。しかし,この結果をもって,ビスホスホネート製剤は新規骨折を増やすと結論するドクターは皆無だろう。それは,無作為化研究(RCT)の結果,ビスホスホネートが新規骨折を抑制することが明白に証明されているからである。つまり,indication biasの入る観察研究の結果より因果関係を明瞭に示すことができるRCTの結果のほうがはるかに重い。
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