Japanese
English
特集 多臓器不全と急性腎障害(AKI)
【各論】
臓器障害とAKI 心不全
Acute kidney injury in patients with acute decompensated heart failure
常喜 信彦
1
,
原田 美菜子
1
JOKI Nobuhiko
1
,
HARADA Minako
1
1東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科
キーワード:
cardio-renal syndrome 1
,
腎うっ血
,
WRF
,
ECUM
,
利尿薬
Keyword:
cardio-renal syndrome 1
,
腎うっ血
,
WRF
,
ECUM
,
利尿薬
pp.59-64
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000231
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はじめに
心臓病診療の進歩にもかかわらず,急性非代償性心不全(ADHF)は,30日間の再入院率が20%を超え,院内死亡率が5~6%であると報告されており,どちらも過去20年間で有意な改善はみられていない1,2)。急性腎障害(AKI)は,ADHFの有害転帰の最も強力な予測因子の1つとされる。心機能障害やその管理と腎機能障害の進行との関連については,すでに確立された概念として捉えられており,心腎連関症候群(cardio-renal syndrome:CRS)と呼ばれている3)。CRSの病態生理と危険因子を理解することはAKIの予防にとって重要と考えられる。CRSは,病態の連鎖の方向と,病態の進行が急性か慢性かによって,5つのサブカテゴリに分けられるが,本稿ではCRS type 1(CRS-1),すなわち急性左心不全時のAKIに焦点を当て概説する。
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