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特集 多臓器不全と急性腎障害(AKI)
【総論】
血管内治療後のAKI
AKI after vascular intervention
猪阪 善隆
1
ISAKA Yoshitaka
1
1大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学
キーワード:
造影剤腎症
,
コレステロール塞栓症
,
正常血圧虚血性腎障害
,
インフラマソーム
Keyword:
造影剤腎症
,
コレステロール塞栓症
,
正常血圧虚血性腎障害
,
インフラマソーム
pp.42-45
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000228
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はじめに
血管内治療後に急性腎障害(acute kidney injury:AKI)をきたすことは少なくない。AKIの国際的な診断基準は,2004年にAcute Dialysis Quality Initiative(ADQI)により作成されたRIFLE(Risk,Injury,Failure,Loss,End-stage kidney disease)分類,2007年にAcute Kidney Injury Network(AKIN)により作成されたAKIN分類,2012年にKidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)により作成されたAKIのガイドライン『KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury』1)がある。KDIGOのAKIガイドラインでは48時間以内に血清クレアチニン(sCr)値の0.3mg/dL以上の増加,または6時間以上の尿量減少(<0.5mL/kg/時)などをAKIの診断基準としており(表)1),KDIGOによるAKI診断基準は,2016年にわが国において発表された『AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016』2)にも踏襲されている。血管内治療後のAKIでは造影剤腎症が疑われるが,造影剤以外の要因(コレステロール塞栓症や血行動態の影響など)を鑑別する必要がある。
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