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特集 COVID-19と腎臓病
【実際の対処とトピックス】
抗PF4抗体とCOVID-19ワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症
Anti-PF4 antibodies and VITT/TTS
土井 洋平
1
,
猪阪 善隆
1
DOI Yohei
1
,
ISAKA Yoshitaka
1
1大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学
キーワード:
抗PF4抗体
,
COVID-19
,
VITT/TTS
,
血栓症
,
血小板減少
Keyword:
抗PF4抗体
,
COVID-19
,
VITT/TTS
,
血栓症
,
血小板減少
pp.256-262
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000044
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はじめに
2020年12月,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の制圧を目指し,海外で先行してビオンテック社/ファイザー社(BNT162b2),モデルナ社(mRNA-1273)のmessenger RNA(mRNA)ワクチン接種が開始された。2021年1月,アストラゼネカ社のアデノウイルスベクターワクチン(ChAdOx1 nCov-19)接種が開始されたが,2021年2月にはChAdOx1 nCov-19接種後,脳静脈血栓症など奇異な部位の血栓症および血小板減少を認める症例が複数確認された。2021年4月9日,『The New England Journal of Medicine』で2つのcase series1,2)を皮切りに,多数のcase report,case seriesが報告され,ChAdOx1 nCov-19およびジョンソン・エンド・ジョンソン社のアデノウイルスベクターワクチン(Ad26.COV2.S)接種後,非常に稀ながら致死的となりうる血栓症,血小板減少を起こすことが明らかとなり,vaccine-induced immune thrombotic thrombocytopenia(VITT)やthrombosis with thrombocytopenia syndrome(TTS)と呼ばれるようになった。
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