Japanese
English
特集 消化管感染症のすべて2025
Ⅱ.胃
(C)寄生虫感染症
Vanishing tumorを呈する胃アニサキス症
Anisakiasis presenting as a vanishing tumor
津田 桃子
1
,
久保 公利
1
,
米谷 則重
1
,
加藤 元嗣
1
Momoko TSUDA
1
,
Kimitoshi KUBO
1
,
Norishige MAIYA
1
,
Mototsugu KATO
1
1国立病院機構函館医療センター
キーワード:
胃アニサキス症
,
胃vanishing tumor
,
胃粘膜下腫瘍様病変
Keyword:
胃アニサキス症
,
胃vanishing tumor
,
胃粘膜下腫瘍様病変
pp.109-111
発行日 2025年12月24日
Published Date 2025/12/24
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002361
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
疾患の概要
胃vanishing tumorとは,胃粘膜下層への炎症細胞浸潤により一過性に腫瘤様隆起を呈する病態である。内視鏡所見で粘膜下腫瘍のようにみえるvanishing tumorは胃アニサキス症の合併として生じることがあるが,その頻度は稀である1)。病理学的には粘膜下層への好酸球を主体とした炎症細胞浸潤と著明な浮腫が認められ,虫体周囲にはフィブリン様物質の析出,血管炎,異物型巨細胞の集積などが生じて一過性の腫瘤様形態をとる。特に過去にアニサキスへの感作歴がある再感染例では即時型アレルギー反応が顕著で,局所に大量の好酸球浸潤と浮腫をきたし,短時間で腫瘍様隆起を形成することが報告されている。vanishing tumorは一過性病変であるため数日から1〜2週間で縮小・消失し,病変部位には潰瘍が残存する。アニサキス幼虫は宿主であるヒト体内では長く生存できず数日以内に死亡するため,幼虫摘出を行わなくても病変は自然軽快へ向かうことが多い。したがって,vanishing tumorはアニサキス幼虫刺入による一過性の擬腫瘍性病変と位置づけられる。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

