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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅵ.胆膵
失敗したくないなら,画面から目を離すな
Don’t take your eyes off the screen if you don’t want to fail
良沢 昭銘
1
Shomei Ryozawa
1
1埼玉医科大学国際医療センター消化器内科
pp.628-628
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002051
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解説
EUS-FNAを行う際には,まず目的とする病変を描出する。さあ次はいよいよ穿刺である。いったん画面から目を離して介助者から穿刺針を受け取り鉗子口に装着する(図a)。それから画面に目を戻したら,せっかく苦労して描出していた病変が画面から消えていた。こんな経験はないだろうか? それはすべて,穿刺針の装着に気を取られて画面から目を離していたあなたが悪いのである。EUS-FNAを行う際には,原則として画面から目を離してはいけない(図b)。画面から目を離すとしても必要最小限である。そのために,穿刺針の装着,シースや針の長さの調整,固定具の操作などは可能なかぎりブラインドでできるようにしておく(動画)。苦労して描出した病変を見失って,またそれを見つけ出すのに余計な時間をかけたくないのであれば,画面から目を離してはいけない。これは,EUS-FNA以外のinterventional EUS手技,ERCP手技でも同様である。例えば留置されていた胆管プラスチックステントを抜去して入れ替えるとき。ステントがどこからどの方向に入っていたか全然見ておらず,ステントが入っていたにもかかわらず二度とカニュレーションできなくなっている初学者の多いこと。デバイスの受け渡しや操作などは可能なかぎりブラインドで行えるようにしておき,画面からは極力目を離さない。これは内視鏡医としての基本中の基本だろう。
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