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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅲ.胃・十二指腸
十二指腸副乳頭をポリープと間違えるな
Don’t mistake the minor duodenal papilla for a polyp
今枝 博之
1
,
宮口 和也
1
,
都築 義和
1
Hiroyuki Imaeda
1
1埼玉医科大学消化管内科,総合診療内科
pp.538-539
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002000
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解説
通常,十二指腸副乳頭は主乳頭のおよそ2cm口側の十二指腸下行部前壁に位置し,形態はほぼ球形で,粘膜下腫瘤様を呈する1, 2)。副乳頭径は主乳頭よりも小さく,約5.4(3.7〜17)mmであるが,大きさには個人差がみられる2)。明瞭な隆起を形成するものや平坦なもの,開口部に同心円状の括約筋構造が観察されるものや無構造のものなどさまざまである3)。開口部も小さく,肉眼的に認識できないことも少なくない3)。副乳頭の内視鏡観察は,主乳頭を目安にして口側を慎重に観察するが,その発見は容易ではない。一方で副乳頭がいくぶん大きいと,正面視して詳細に観察することが困難なことも多く,十二指腸ポリープと間違えられることがある。十二指腸下行部を観察する場合には,主乳頭とともに副乳頭の存在を意識し,主乳頭を起点として位置関係や形態を詳細に観察することが重要である。観察が不十分となる場合には直視鏡ならばスコープ先端にフードを装着して観察することにより,正面視は困難としてもある程度詳細に観察することは可能となる。また,側視鏡を用いると正面視の観察も可能となることが多い。
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