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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅲ.胃・十二指腸
止血後の胃潰瘍病変は生検を考慮せよ
Hemorrhagic gastric ulcer: consider biopsy after hemostasis
宮口 和也
1
,
都築 義和
1
,
今枝 博之
1
Kazuya Miyaguchi
1
1埼玉医科大学消化管内科,総合診療内科
pp.536-537
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001999
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解説
急性期の出血性胃潰瘍では潰瘍底も汚く,潰瘍辺縁も不整で周囲粘膜の浮腫が著明で周堤様となることもあり,胃癌との鑑別に苦慮する場合もあるため注意を要する。止血が確認されたあとには必ず生検を施行することと,1回の生検では診断が確定しない場合もあるため,酸分泌抑制薬を投与してフォローアップすることが大切である。胃潰瘍では潰瘍底はクリアになり,辺縁も平滑となるが,胃癌に伴う潰瘍の場合には潰瘍辺縁は不整で,陥凹面が明らかとなり,集中するひだの途絶,棍棒状の融合などがみられる場合もある。止血処置にとらわれないで,詳細に内視鏡観察を行うとともに,生検による病理組織学的検索を施行することが重要である。
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