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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅲ.胃・十二指腸
自然出血は小胃癌の存在を疑うべし
Spontaneous bleeding might be a key to finding a diminutive gastric cancer
赤松 泰次
1
Taiji Akamatsu
1
1長野県立信州医療センター内視鏡センター
pp.520-521
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001991
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解説
正常胃粘膜の表面には表層粘液ゲル層が存在し,胃酸や胃内容物が直接粘膜に接触しないように粘膜を保護するバリアとして機能している1)。一方,胃癌の表面はこの表層粘液ゲル層が欠如あるいは菲薄化している2)。また,胃癌組織は正常胃粘膜と構造が異なり,外的刺激に対して脆弱である。そのため比較的軽度のスコープの接触や送気による伸展刺激によって,胃癌の表面は正常胃粘膜に比べて易出血性である。したがって内視鏡施行時に自然出血を認めた場合は,小胃癌が存在する可能性を疑ってその部位を丁寧に観察する必要がある。
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