Japanese
English
今月の主題 胃癌の自然史を追う―経過追跡症例から
序説
胃癌の自然史―“胃癌の一生”
Introduction
中村 恭一
1
Kyoichi Nakamura
1
1東京医科歯科大学医学部第1病理
キーワード:
胃癌の自然史
,
成長速度
,
発生の場
,
肉眼形態
Keyword:
胃癌の自然史
,
成長速度
,
発生の場
,
肉眼形態
pp.11-15
発行日 1992年1月25日
Published Date 1992/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106671
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胃癌細胞は胃の粘膜で発生します.それは細胞分裂を繰り返して時間の経過と共に大きくなり,自然のままに癌を放置しておくならば,癌は全身に転移巣を形成して宿主を死に至らしめると共に,自らもその一生を終えます.その癌細胞誕生から死に至るまでの,つまり時間の流れに伴う胃癌の形態変化と宿主という場での振る舞いを“胃癌の自然史”とするならば,それは個々の“胃癌の一生”を眺めて,そこから胃癌の歩む幾つかの道を示すことにあるのでしょう.
本号の主題は胃癌の自然史ということですが,それは胃癌が歩む全道程のうちの部分部分に派生する出来事を眺め,それらを連結することによって“胃癌の一生”を描写してみようという企画です.そうは言っても“胃癌の一生”の全道程を主題論文そして症例論文によって埋めつくすことはできませんから,早期の道程の描写に主眼を置くようにしました.そうすると“胃癌の自然史”の部分ということになってしまいます.
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