Japanese
English
特集 症例から学ぶ咽頭・食道ESD
表在型Barrett食道腺癌のESD
LSBE由来Barrett食道腺癌のESD―どこまで切除したらよいかわからない
ESD for adenocarcinoma arising from LSBE; How to determine the lateral extent?
竹内 学
1
,
小関 洋平
1
,
田口 貴博
2
,
薄田 浩幸
2
,
渡辺 玄
3
Manabu Takeuchi
1
,
Yohei Koseki
1
,
Takahiro Taguchi
2
,
Hiroyuki Usuda
2
,
Gen Watanabe
3
1長岡赤十字病院消化器内科
2長岡赤十字病院病理診断科
3新潟県立がんセンター新潟病院病理診断科
キーワード:
LSBE
,
Barrett食道腺癌
,
範囲診断
,
JES-BE分類
,
酢酸
Keyword:
LSBE
,
Barrett食道腺癌
,
範囲診断
,
JES-BE分類
,
酢酸
pp.1198-1209
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001561
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はじめに
Barrett食道腺癌(Barrett‘s adenocarcinoma:BAC)は潰瘍性大腸炎関連腫瘍と同じように炎症性発癌と考えられており,腫瘍性か否かの判断や範囲診断に悩むことが多く,病理医間でその診断が分かれることもある。WHO分類でのhigh-grade dysplasiaは,本邦の病理医はcarcinomaと診断する場合が多いが,low-grade dysplasia(LGD)に関しては混沌としているのが現状である。特にLGDのような低異型度腫瘍は病変辺縁に認められることが多く,さらにlong segment barrett esophagus(LSBE)においては平坦病変が主体であることが多いため範囲診断が特に難しい。低異型度BACでは,背景粘膜を含め,組織像が多彩であることも特徴とされ,生検が全体像を反映しない可能性があるとされ1)生検のみでの範囲診断には特に注意が必要である。一方,内視鏡診断も拡大内視鏡による詳細な観察を行っても範囲診断が困難な場合が多く,生検との組み合わせで診断を行うことが実状である。LSBE由来のBACは同時性・異時性に多発することもあり2〜3),その切除範囲をどうするかは術後狭窄の点からも課題である。欧米では残存するBarrett食道に対しては異時再発予防目的にradiofrequency ablation(RFA)がなされるが4),本邦では保険収載されておらず,内視鏡治療後の異時多発癌に対するサーベイランスも重要である。
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