Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
自己免疫疾患・膠原病・血管炎など
Crohn病の十二指腸病変
Duodenal lesions in Crohn’s disease
松浦 稔
1
Minoru Matsuura
1
1杏林大学医学部消化器内科学
キーワード:
ノッチ様陥凹
,
数珠状隆起
Keyword:
ノッチ様陥凹
,
数珠状隆起
pp.590-591
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001375
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疾患の概要
Chron病(Chron’s disease:CD)の病変は全消化管に生じることが特徴であり,その診断に最も有用な内視鏡所見は縦走潰瘍と敷石像(敷石様外観)である。このような典型的な所見はおもに小腸や大腸に認められ,上部消化管では軽微で非進行性の病変が多い。しかし,CDにみられる上部消化管病変のなかにも特異的と考えられる所見が存在する。そのため,潰瘍性大腸炎の場合と異なり,CDの上部消化管病変は罹患範囲の同定やCDの確定診断における臨床的意義が高い。実際,厚生労働省難治性炎症性腸管障害調査研究班が定めるクローン病診断基準においても,「特徴的な胃・十二指腸病変」が副所見の一つとしてあげられている1)。CDにみられる代表的な十二指腸病変としては,ノッチ様陥凹,数珠状隆起,アフタ様びらん,不整形潰瘍,狭窄などがあげられる2, 3)。
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