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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
消化管ポリポーシスと類似ポリープ
家族性大腸ポリポーシス(FAP)に伴う病変:乳頭部腺腫・癌
Ampullary neoplasm associated with familial adenomatous polyposis (FAP)
竹内 洋司
1,2,3,4
,
上田 智也
3
,
三宅 宗彰
3
,
高田 良司
5
,
栗林 志行
1,2
,
石川 秀樹
6
,
浦岡 俊夫
2
Yoji Takeuchi
1,2,3,4
,
Tomoya Ueda
3
,
Muneaki Miyake
3
,
Ryoji Takada
5
,
Shiko Kuribayashi
1,2
,
Hideki Ishikawa
6
,
Toshio Uraoka
2
1群馬大学医学部附属病院光学医療診療部
2群馬大学医学部附属病院消化器・肝臓内科
3大阪国際がんセンター消化管内科
4大阪国際がんセンター遺伝性腫瘍診療科
5大阪国際がんセンター肝胆膵内科
6石川消化器内科
キーワード:
乳頭部腺腫
,
家族性大腸腺腫症
,
内視鏡的乳頭切除術
Keyword:
乳頭部腺腫
,
家族性大腸腺腫症
,
内視鏡的乳頭切除術
pp.536-537
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001348
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疾患の概要
家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis:FAP)はAPC遺伝子の生殖細胞系列バリアントを原因とし,大腸腺腫の多発を主徴とする常染色体顕性(優性)遺伝性の疾患である1)。大腸腺腫を前駆病変として発生する大腸癌が主たる死因ではあるが,大腸癌以外にも消化管その他の臓器にさまざまな腫瘍性および非腫瘍性の随伴病変が発生する1)。十二指腸腺腫は70歳までに90%の症例で発生し,十二指腸癌の罹患割合は50~60歳で5~8%,75歳までに18%まで上昇する1)。十二指腸癌はFAP症例の死因においてデスモイド腫瘍とならび第2位で3~12%を占め,大腸癌に対する予防的介入の進歩2, 3)による大腸癌死の割合の低下と相反して増加傾向にある。乳頭部腺腫は乳頭部癌の前駆病変と考えられているものの緩徐に進行すると考えられており4),経時的に進行する非乳頭部腫瘍5)と分けて治療方針を考えるべきである。
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