Japanese
English
症例報告
乳頭部腺腫の1例
A case of adenoma of the nipple
大澤 学
1
,
爲政 大幾
1
,
岡本 祐之
1
,
山本 大悟
2
Manabu OSAWA
1
,
Taiki ISEI
1
,
Hiroyuki OKAMOTO
1
,
Daigo YAMAMOTO
2
1関西医科大学皮膚科学講座
2関西医科大学外科学講座
1Department of Dermatology,Kansai Medical University,Osaka,Japan
2Department of Surgery,Kansai Medical University,Osaka,Japan
キーワード:
乳頭部腺腫
,
adenoma of the nipple
Keyword:
乳頭部腺腫
,
adenoma of the nipple
pp.319-322
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102860
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要約 31歳,女性.当科初診の3年前から右乳頭に滲出液が生じ,外用治療を受けたが改善しなかった.当科受診時,右乳頭に紅色局面とその中心にびらんがみられ,ダーマスコピーではびらん部に不規則な毛細血管拡張がみられた.病理組織像では上皮細胞とその周囲を取り囲む筋上皮細胞の2層構造からなり,分裂像は少数で,細胞異型もなかった.病理組織所見と発生部位から乳頭部腺腫(adenoma of the nipple)と診断した.本症は病理組織学的に偽浸潤像がみられることから,しばしば悪性と誤診され,乳房切断術などの過剰な治療が行われることがある.そのため,乳頭の病変では本疾患を念頭に置き,病理組織所見を慎重に検討したうえで,治療に当たることが必要と考えた.
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