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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
粘膜下腫瘍/粘膜下腫瘍様病変
他臓器癌の小腸転移(悪性黒色腫)
Small intestinal metastasis from malignant melanoma
芥川 剛至
1
,
下田 良
1
,
江﨑 幹宏
2
,
青木 茂久
3
Takashi Akutagwa
1
,
Ryo Shimoda
1
,
Motohiro Esaki
2
,
Shigehisa Aoki
3
1佐賀大学医学部附属病院光学医療診療部
2佐賀大学医学部内科学講座消化器内科
3佐賀大学医学部病因病態科学講座
キーワード:
悪性黒色腫
,
小腸転移
Keyword:
悪性黒色腫
,
小腸転移
pp.534-535
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001347
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疾患の概要
悪性黒色腫は色素細胞由来の悪性腫瘍であり,早期にリンパ行性,血行性に転移をきたす。発生部位は皮膚のなかで足底部が多い。遠隔転移を有する悪性黒色腫患者の剖検例では,約60%に消化管転移がみられたとの報告もあり,特に小腸転移が多いとされている1)。消化管にもメラノサイトは存在しており,消化管原発の悪性黒色腫の報告例もあるが非常に稀である。悪性黒色腫の小腸転移性病変は,潰瘍や隆起などさまざまな形態を呈するが,隆起性病変では腸重積を契機に小腸転移が発見されることがある。その他,出血・貧血・腹痛・体重減少などを契機として発見されることが多い2)。消化管転移をきたした悪性黒色腫の予後は不良で,生存期間中央値は5.6~12.5カ月程度と報告されている3, 4)。
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