Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
粘膜下腫瘍/粘膜下腫瘍様病変
カポジ肉腫(HHV-8関連)
Kaposi sarcoma (HHV-8 related)
山本 俊祐
1
,
渡邊 大
2
,
眞能 正幸
3
,
長谷川 裕子
1
,
阪森 亮太郎
1
,
三田 英治
1
Shunsuke Yamamoto
1
,
Dai Watanabe
2
,
Masayuki Mano
3
,
Hiroko Hasegawa
1
,
Ryotaro Sakamori
1
,
Eiji Mita
1
1国立病院機構大阪医療センター消化器内科
2国立病院機構大阪医療センター感染症内科
3国立病院機構大阪医療センター臨床検査科
キーワード:
カポジ肉腫
,
HHV-8
,
HIV
Keyword:
カポジ肉腫
,
HHV-8
,
HIV
pp.506-507
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001333
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疾患の概念1~4)
カポジ肉腫(Kaposi sarcoma:KS)は発生機序から四種に分けられるが,いずれもKS関連ヒトヘルペスウイルス(HHV-8)感染によって発生する。後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome:AIDS)診断の指標疾患の一つとされている。特徴的な内視鏡像からHIV感染症を疑い診断に至る症例もある。AIDSに合併するKSは,古典的KSに比して若年男性に多く,当院の過去の検討でも患者は全員男性で平均年齢は40歳と若かった。特にmen who have sex with men(MSM)患者で多くみられる。皮膚病変はほぼ全例にみられるが,次いで消化管(50%)に上部・下部同程度に発症する。消化管病変を認めるKSは病期分類ではpoor risk群で全身化学療法と抗HIV療法(ART)の併用が有用で,化学療法にはliposomal doxorubicinが用いられる。かつてはpoor risk群は致死的であったがこれらの治療により予後は改善している。十二指腸病変を含む典型的内視鏡所見を代表的な症例の提示として下記に示す。
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