Japanese
English
今月の症例
HHV-8の感染を確認しえたHIV陰性古典型Kaposi肉腫の1例
A case of classic Kaposi's sarcoma with HHV-8 infection
水野 万利子
1
,
村松 重典
1
,
池嶋 文子
1
,
池田 志斈
1
Mariko MIZUNO
1
,
Shigenori MURAMATSU
1
,
Ayako IKEJIMA
1
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Juntendo University School of Medicine
キーワード:
HIV陰性
,
古典型Kaposi肉腫
,
HHV-8
Keyword:
HIV陰性
,
古典型Kaposi肉腫
,
HHV-8
pp.480-483
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100178
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要約
83歳,男性.神奈川県出身.初診の約3年前,左足背に紫紅色斑が出現した.同部位の一部が徐々に隆起してきた.初診時,左下腿から足背に境界明瞭な紫紅色斑が散在し,一部は隆起し,局面および腫瘤を形成していた.病理組織所見では真皮内に腫瘍細胞巣がみられ,腫瘍を形成する細胞は紡錘型であった.腫瘍細胞巣内は多数の血管腔と裂隙が認められた.免疫組織学的染色としてfactorⅧとCD34を施行した.いずれもKaposi肉腫の所見に一致した.患者の病変部組織および血液サンプルよりDNAを抽出し,PCR法を施行したところ208bpにバンドが検出された.このバンドに対してシークエンスを検討したところ,HHV-8の塩基配列に一致した.患者は治療を拒否したため,治療は施行できなかった.初診より3年後の再診時,右下肢へ病変が拡大していた.その後も患者は治療を望まず,2004年8月現在,Kaposi肉腫は両上肢,体幹へも拡大している.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.