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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
粘膜下腫瘍/粘膜下腫瘍様病変
Pyogenic granuloma
Pyogenic granuloma
宮﨑 蔵人
1,2
,
高取 祐作
2
,
松浦 倫子
2
,
中山 敦史
2
,
加藤 元彦
3
Kurato Miyazaki
1,2
,
Yusaku Takatori
2
,
Noriko Matsuura
2
,
Atsushi Nakayama
2
,
Motohiko Kato
3
1慶應義塾大学医学部消化器内科
2慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
3慶應義塾大学医学部内視鏡センター
キーワード:
血管腫
,
十二指腸
,
pyogenic granuloma
Keyword:
血管腫
,
十二指腸
,
pyogenic granuloma
pp.504-505
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001332
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疾患の概要
Pyogenic granulomaは,皮膚や口腔粘膜に好発する易出血性の肉芽腫性病変であり,後天的に発生した血管腫が二次的な炎症を合併することで形成されると考えられている。消化管領域での発生は非常に稀であるが,発生頻度は食道が消化管で最も多く,次いで小腸,大腸,胃,十二指腸と続くとされている1)。そのため,十二指腸pyogenic granulomaにおける臨床的,病理学的な報告は少なく,PubMedおよび医学中央雑誌による検索でも数報の症例報告を認めるのみであった。難治性の出血や貧血を契機に発見されることが多いとされる他2~6),血管性病変(血管奇形)に対する塞栓術後に発生したとする報告もある7)。良性の腫瘍ではあるが,前述のとおり慢性的な出血や貧血の原因となりうるため,多くはEMRなどで内視鏡的に切除されており,切除後の再発率は低いとされる。
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