Japanese
English
特集 基本が大切 胃内視鏡診断
[各論]
【Topics】酸分泌抑制薬内服中に症状が増悪する症例に対する検討
Cases where the symptoms exacerbate in spite of the administration of anti-secretory agents
大久保 政雄
1
,
高津 智弘
1
,
森久保 尚美
1
,
安積 貴年
1
,
足立 雅之
1
,
緒方 晴彦
1
,
斉藤 聡
1
Masao Okubo
1
,
Tomohiro Takatsu
1
,
Naomi Morikubo
1
,
Takane Azumi
1
,
Masayuki Adachi
1
,
Haruhiko Ogata
1
,
Satoru Saitou
1
1山王病院消化器内科
キーワード:
酸分泌抑制薬
,
長期投与
,
白色粘液
,
症状増悪例
,
口腔内細菌
Keyword:
酸分泌抑制薬
,
長期投与
,
白色粘液
,
症状増悪例
,
口腔内細菌
pp.230-233
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001235
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はじめに
上腹部の消化器症状に対して酸分泌抑制薬が頻用される。特に,胸やけの原因として,逆流性食道炎(gastro esophageal reflux disease:GERD)や機能性胃腸症(functional disease:FD)の関与が大きく,酸分泌抑制薬(potassium-competitive acid blocker:P-CAB, proton pump inhibitors:PPI)が一般的に処方される。症状が不安定なときは,8週を超え維持療法として長期処方する例も多い。非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)内服で酸分泌抑制薬を恒常的に内服する例も多く存在する。大多数の症例は長期処方が可能だが,膨満感を伴う心窩部痛や食後の胸やけ,不快感などの症状が増悪する症例に遭遇する。また,投与後に短期間で症状が増悪する例も遭遇する。これらに対しGERDガイドラインでは,pHモニターなどの精査を推奨しているが簡便ではない。筆者らの施設も上部消化管内視鏡(EGD)以外の精査が困難であり,増悪例に対してEGDを再検している。
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