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第5章 消化器系に作用する薬剤
[上部消化管疾患治療薬]
酸分泌抑制薬
沢田 明也
1
,
藤原 靖弘
1
1大阪公立大学大学院 医学研究科消化器内科学
pp.738-743
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_738
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・主な酸分泌抑制薬はH2受容体拮抗薬(H2RA),プロトンポンプ阻害薬(PPI),カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の3種類である.
・H2RAは即効性があるが耐性が生じて酸分泌抑制効果が低下するため長期投与には不向きである.
・PPIはH2RAよりも酸分泌抑制効果が強い.長期投与でも効果の減弱はみられず,安全性についてもおおむね確立されている.
・P-CABはPPIよりも強力な酸分泌抑制効果を有するが上市から間もないため長期投与における安全性の確立が今後の課題である.
・酸分泌抑制薬を長期間使用する場合には必要最小限の用量にするように心がけることが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023