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特集 消化管内視鏡処置具の使い分け2025
[その他の消化管処置で使用する処置具]
創・瘻孔・穿孔閉鎖に使用する内視鏡デバイスと縫縮法
Closure of resection wound, fistula, and perforation
香川 泰之
1
,
福澤 誠克
1
,
河合 隆
2
,
糸井 隆夫
1
Yasuyuki Kagawa
1
,
Masakatsu Fukuzawa
1
,
Takashi Kawai
2
,
Takao Itoi
1
1東京医科大学消化器内科学分野
2東京医科大学消化器内視鏡学分野
キーワード:
内視鏡的縫縮
,
クリップ
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
Keyword:
内視鏡的縫縮
,
クリップ
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
pp.1198-1203
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002226
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はじめに
ESDは,低侵襲かつ対象病変を確実に一括切除できる内視鏡手技として本邦で開発された1)。その後も,手技やデバイスの開発・改良が行われ,国内外へ普及し,標準的治療として広く行われている。一方で,治療に伴う出血や穿孔といった偶発症のリスク管理は,依然として重要な課題である。その対策の一つとして,切除後の創部閉鎖がある。『大腸ESD/EMRガイドライン第2版』ではクリッピングによる予防的処置について効果は限定的であることが記載されているが2),近年の報告では右側結腸の20mm以上の病変に対する創部閉鎖で術後出血率が有意に低下することが示されている3, 4)。穿孔リスクの高い十二指腸病変や筋層を損傷した病変,抗血栓薬内服などで出血リスクの高い病変,挿入困難であった病変では創部閉鎖が望ましいと考えられ,多くの施設からさまざまな縫縮法が報告されている。本稿では,創・瘻孔・穿孔閉鎖に使用する内視鏡デバイスや縫縮法についてまとめ,紹介する。

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