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腹腔鏡内視鏡合同手術(laparoscopic and endoscopic cooperative surgery:LECS)は,腹腔鏡と内視鏡を用いたより低侵襲な局所切除手術法である。両者の併用手技を低侵襲手術のコンセプトとして確立させたのがHikiらで,2008年の論文で胃SMTに対する手技としてLECS の名称を初めて使用した1)。腹腔鏡側からみた LECSのメリットは,管腔内から切除範囲を決定することで必要最小限の切除が可能となることである。内視鏡側からのLECS のメリットとしては,確実な切除創の閉鎖が行える点であろう。内視鏡単独では,病変を切除しえたとしても欠損部を管腔内からのみで確実に閉鎖することは困難であった。相応の内視鏡技術とデバイスが登場した現在でも,内視鏡のみによる完全閉鎖は安全性や迅速性の面で担保できるとはいえない現状である。LECSの有用性と安全性は臨床的に高く評価され,K654-3腹腔鏡下胃局所切除術(内視鏡処置を併施するもの)として2014年に保険適用となった(28,500点)。2020年には,K654-4腹腔鏡下十二指腸局所切除術(内視鏡処置を併施するもの)も保険適用となった(30,000点)。最小限の切除範囲と確実な創閉鎖法を併せもつ手技として進歩普及してきている。その後,HikiらのLECSはいわゆる内科と外科のコラボレーション手術という意味に拡大進化してきた。例えば,狭く十分な視野がとれない咽頭喉頭領域にも応用され,内視鏡補助下で耳鼻科医と内視鏡医のコラボレーション手術としてendoscopic laryngo-pharyngeal surgery(ELPS)が行われている2)。
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