囊胞性膵腫瘍に対する外科手術―低侵襲膵切除術を中心に

Surgical intervention for pancreatic cystic neoplasm: focus on minimally invasive pancreatectomy

はじめに

　囊胞性膵腫瘍のうち，おもに切除の対象となるのは膵管内乳頭粘液性腫瘍（intraductal papillary mucinous neoplasm of the pancreas：IPMN）と粘液性囊胞腫瘍（mucinous cystic neoplasm：MCN）である。詳細な切除適応については他稿に譲り，ここではわれわれが行っている，術式選択，術中診断などについて述べる。基本的な考え方はそれぞれの囊胞性膵腫瘍の生物学的特徴を理解し，根治性が損なわれない範囲で機能・臓器温存手術や低侵襲手術を選択することである。