Japanese
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特集 進化し続けるIEE
[各論 IEEを使いこなす]
大腸内視鏡
大腸腫瘍の拾い上げから質的診断:NBI,TXIを活用する
Detection and characterization of colorectal tumors using NBI and TXI
清水 良
1
,
藤本 愛
1
,
小林 俊介
1
,
木村 隆輔
1
,
山口 和久
1
,
小野 真史
1
,
鳥羽 崇仁
1
,
岡本 陽祐
1
,
松田 尚久
1
Ryo Shimizu
1
,
Ai Fujimoto
1
,
Shunsuke Kobayashi
1
,
Ryusuke Kimura
1
,
Kazuhisa Yamaguchi
1
,
Masashi Ono
1
,
Takahito Toba
1
,
Yosuke Okamoto
1
,
Takahisa Matsuda
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
キーワード:
大腸内視鏡
,
NBI
,
TXI
Keyword:
大腸内視鏡
,
NBI
,
TXI
pp.373-377
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000679
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はじめに
大腸癌は全世界での年間の新規罹患数190万人,死亡者数が約93万人と,2番目に癌関連死亡が多い疾患である1)。本邦においても,大腸癌は癌死因の第2位(約5.3万人)であり,罹患者数は第1位(約15.2万人)である2)。近年,大腸内視鏡によるスクリーニング検査が広く行われるようになり,大腸ポリープや早期大腸癌に遭遇する機会が増加している。大腸内視鏡検査でポリープを切除することにより,その後の大腸癌の発生や死亡を有意に減少させることが報告されているが,一方で大腸内視鏡検査の白色光観察(white light imaging:WLI)でのポリープの見逃しは20~30%で認められ,特に見逃しのリスク因子としては,右側大腸,検査前の便処置不良,5mm以下のポリープ,表面型病変,女性などが報告されている3)。腺腫検出割合(adenoma detection rate:ADR)は大腸癌の発生リスクと相関し,大腸内視鏡検査のquality indicatorの一つとされており4),近年,内視鏡画質の向上や診断技術の進歩,narrow band imaging(NBI)などの画像強調内視鏡技術(image enhances endoscopy:IEE)の進歩により,ADRの上昇が報告され,特にIEEを用いた観察方法がWLIと比較し有用である可能性があると考えられている。今回,大腸内視鏡検査におけるIEEの現状と有用性,また実臨床におけるIEEの活用について述べる。
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