Japanese
English
特集 進化し続けるIEE
[各論 IEEを使いこなす]
上部消化管内視鏡
上部消化管ESD:RDIは有用か?
Is RDI useful in upper GI ESD?
藤本 愛
1
,
石井 侃
1
,
佐藤 信維
1
,
副島 啓太
1
,
平岡 友美
1
,
清水 良
1
,
西川 雄祐
1
,
矢作 直久
2
,
松田 尚久
1
Ai Fujimoto
1
,
Tsuyoshi Ishii
1
,
Nobuyuki Sato
1
,
Keita Soejima
1
,
Tomomi Hiraoka
1
,
Ryo Shimizu
1
,
Yusuke Nishikawa
1
,
Naohisa Yahagi
2
,
Takahisa Matsuda
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
2慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
キーワード:
RDI
,
食道ESD
,
胃ESD
Keyword:
RDI
,
食道ESD
,
胃ESD
pp.364-368
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000677
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
オリンパス社の最新の内視鏡システムEVIS X1に搭載されたred dichromatic imaging(RDI)は主に赤色の630nmとアンバー(琥珀)色の600nmの長波長の狭帯域光を用いて観察する技術である1)。Narrow band imaging(NBI)が短波長を用いて粘膜表面の血管を観察する技術に対して,RDIは粘膜表層から1,000~1,500μmの粘膜深部や粘膜下層に存在する血管を視認するための技術として開発されたため2),食道静脈瘤の視認性に優れ,静脈瘤治療におけるRDIの有用性が複数報告されている3~5)。一方,開発当時にRDIをESDの治療中に使用すると,出血点が明瞭に観察され,またESD中の出血が黄色に観察されることで通常の赤色と比較し落ち着いた気持ちで止血処置が可能であることがわかった6, 7)。また,粘膜下層に局注したインジゴカルミンの青色がさらに鮮やかに視認され,血管損傷も回避できることにより,RDIはESD中の止血処置のみならず,粘膜下層の剝離も容易であると報告されている8, 9)。食道・胃ESDにおけるRDIの使用法を解説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.