胃癌内視鏡検診に役立つIEE：非拡大NBI・TXIを活用する

Practical use of non-magnifying IEE for gastric cancer screening: NBI and TXI

はじめに

　Helicobacter pylori（H. pylori）除菌治療保険適用後10～20年（胃潰瘍2000年，EMR2010年，胃炎2013年）と長期間が経過している。除菌治療後10年以上経過しているため，胃癌および背景粘膜に大きな変化が生じている。一つは除菌後の内視鏡的診断が困難な「ステルス型胃癌」が増えていること，二つ目は除菌後10年経過すると胃粘膜萎縮が改善するも，腸上皮化生は残存することである。背景粘膜の観察は「内視鏡的萎縮性胃炎」から「内視鏡的腸上皮化生」に変化しつつある。このような状況下，胃癌内視鏡検診において画像強調観察の有用性が増しているため，その現況を報告する。