Japanese
English
特集 消化管EUSのすべて
[各論 上部消化管疾患のEUS診療]
食道癌に対するEUS診断
Diagnosis of invasion depth of esophageal cancer using EUS
有馬 美和子
1
,
中村 直裕
1
,
土屋 昭彦
1
,
絹川 典子
2
,
剛崎 有加
3
Miwako Arima
1
,
Naohiro Nakamura
1
,
Akihiko Tsuchiya
1
,
Noriko Kinukawa
2
,
Yuka Kowazaki
3
1上尾中央総合病院消化器内科
2上尾中央総合病院病理診断科
3埼玉県立がんセンター内視鏡科
キーワード:
食道癌
,
EUS
,
深達度診断
,
リンパ節転移診断
Keyword:
食道癌
,
EUS
,
深達度診断
,
リンパ節転移診断
pp.1478-1483
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000314
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要 旨
高周波数細径超音波プローブ(細径プローブ)は食道表在癌の深達度診断,EUS専用機はSM以深癌の深達度とリンパ節転移診断に用いる。細径プローブによる深達度診断は3/9層の走行に着目して診断する。MM/SM1の診断はどのモダリティでも十分な精度が得にくいのが現状で,細径プローブは微小浸潤の診断には解像度が足りないため浅読みしやすく,線維化やリンパ濾胞,食道腺などは癌浸潤との鑑別が難しいため深読みしやすい。このため,MM以深癌に一律に細径プローブを行っても診断率の向上は得にくい。通常内視鏡で厚みや陥凹,粘膜下腫瘍様肥厚などがあるが,拡大観察で深部浸潤を示唆する所見が得られないといった,診断に乖離がある症例が細径プローブのよい適応である。実際の腫瘍浸潤を画像化できる点がメリットで,EP~SM1とSM2の鑑別診断では細径プローブの特異度,陽性尤度比が高い。食道癌のリンパ節転移は表在癌であっても頸部・縦隔・腹部の3領域に生じる可能性があるため,EUS専用機による頸胸腹3領域の系統的なリンパ節検索が早期診断に有用である。
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