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特集 症例から学ぶ胃ESD―改訂ガイドラインwith and beyond―
[各論 初学者からエキスパートへの道]
先端系ナイフを使用した胃角部から胃体部小彎ESDの治療戦略
Treatment strategies with ESD using pointed tip knives for lesions in the lesser curvature of the gastric angle to the body
増永 哲平
1
,
加藤 元彦
1
Teppei Masunaga
1
,
Motohiko Kato
1
1慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
キーワード:
早期胃癌
,
ESD
,
先端系ナイフ
Keyword:
早期胃癌
,
ESD
,
先端系ナイフ
pp.1246-1251
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000266
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はじめに
ESDは2006年に保険収載されて以来,幅広く普及し,ハイボリュームセンターから一般病院にわたってさまざまな施設で実施されてきた。胃は他の臓器に比較して筋層が厚く,特に前庭部は,血管・線維化・脂肪組織が少ない疎な領域であり,局注によってクリアに粘膜下層を視認することができるうえ,スコープ操作が安定するため,ESDを開始する初学者に最適な部位とされている。しかし,少しスコープを引いて前庭部を離れた途端,ESDの難易度は驚くほどに上昇する。その理由は,病変アプローチと出血コントロールの難しさにある。胃は管腔が広く,病変に近づきやすい部位と,そうでない部位の差が極端であるため,攻め方を間違えるとどつぼにはまってしまう。また太い血管が多く,不容易に傷つけてしまうと,血溜まりのなかでの戦いを強いられる。これらをどう攻略するかが胃ESDを成功させる鍵となる。
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