Japanese
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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
1. 上皮性・非腫瘍性隆起病変
A. 亜有茎性・有茎性隆起
胃底腺ポリープ
Fundic gland polyp
藤本 愛
1
,
若山 恵
2
,
松田 尚久
1
Ai FUJIMOTO
1
,
Megumi WAKAYAMA
2
,
Takahisa MATSUDA
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
2東邦大学医療センター大森病院病理診断科
キーワード:
H. pylori未感染
,
プロトンポンプ阻害薬
Keyword:
H. pylori未感染
,
プロトンポンプ阻害薬
pp.48-49
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000346
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疾患の概要
胃底腺ポリープ(fundic gland polyp:FGP)は,もっとも頻度の高い胃ポリープである。胃底腺領域の大彎に発生し,多くは境界明瞭で5mm以下の小さい表面平滑な無茎性ポリープであり,周囲粘膜と同色調,稀に発赤調を呈する1,2)。Helicobacter pylori(H.pylori)未感染や除菌後の患者の増加に伴ってFGPの頻度は高くなっており,人間ドックでの上部消化管内視鏡検査の約20%に認められる2)。また,プロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の長期投与による胃底腺ポリープの発生や増大の関連が報告されている3)。組織学的には腺窩上皮の過形成,腺管の不規則な配列,壁細胞の増加,腺管の囊胞状拡張などを認め4),胃癌の合併が少ないとされてきたが,近年では癌化の報告もみられる。
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