Japanese
English
特集 消化管EUSのすべて
[各論 下部消化管疾患のEUS診療]
潰瘍性大腸炎に対するEUS診断
EUS for ulcerative colitis
横山 薫
1
,
小林 清典
2
Kaoru Yokoyama
1
,
Kiyonori Kobayashi
2
1北里大学医学部消化器内科学
2北里大学医学部新世紀医療開発センター
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
EUS
,
UC関連大腸腫瘍
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
EUS
,
UC関連大腸腫瘍
pp.1561-1565
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000328
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要 旨
潰瘍性大腸炎(UC)に対しEUSを施行すると活動期には腸管壁の肥厚や炎症の波及による壁層構造の変化を認め,それらはUCの重症度を反映し,治療効果の予測にも有用なことが報告されている。一方,UCの長期経過に伴い病変部からUC関連大腸腫瘍(colitic cancerやdysplasia)の発生が問題となるが,UC自体の粘膜面の炎症や炎症後の変化のために通常の大腸癌の診断に有用な拡大内視鏡観察や画像強調観察での診断が困難な場合も少なくない。またcolitic cancerは粘膜表面の変化が比較的軽度であるにもかかわらず深部浸潤をきたし進行癌へ進展している症例もあり,EUSによる深達度診断は有用である。UC関連大腸腫瘍に関してESDによる内視鏡治療を検討する症例も増えている。UCに対しEUSを施行する施設は限られているが,侵襲も少ない検査であり,EUSによる深達度診断を積極的に行い,治療選択に役立てていくべきと考える。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.