Japanese
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特集 症例から学ぶ胃ESD―改訂ガイドラインwith and beyond―
[各論 高難度症例を克服する]
噴門部病変の攻略方法
Treatment strategies using ESD for lesions in the gastric cardia
大野 亜希子
1
,
平塚 智也
1
,
楠原 光謹
1
,
羽田 裕
1
,
宮本 尚彦
1
,
神保 陽子
1
,
久松 理一
1
Akiko Ohno
1
,
Tomoya Hiratsyka
1
,
Mitsunori Kusuhara
1
,
Yu Hada
1
,
Naohiko Miyamoto
1
,
Yoko Jimbo
1
,
Tadakazu Hisamatsu
1
1杏林大学医学部消化器内科学
キーワード:
胃ESD
,
噴門部
,
食道胃接合部癌
Keyword:
胃ESD
,
噴門部
,
食道胃接合部癌
pp.1255-1261
発行日 2022年7月25日
Published Date 2022/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000268
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Ⅰ.噴門部ESDの特徴
胃のESDのなかで一般的に,噴門部病変は技術的難易度の高い病変の一つであり上級者向けの病変である。その理由として以下の3つがあげられる。1つ目に,噴門部はスペースが狭く,また胃壁の角度がしばしば急峻でデバイスが垂直に当たりやすいことがあげられる。また噴門から少し距離が離れただけで奥行きは大きく変化する。2つ目に,体上部は胃壁が薄く1),筋層が粗であることがあげられ(図1),剝離中の不用意なスコープ操作によって穿孔をきたすリスクは高くなる2)。また筋層の間を血管も密に走行しており,筋層近くでの止血操作にも精通していなければならない。3つ目に心拍動や呼吸性変動の影響を受けやすく,またヘルニアなどによって噴門部の形状が症例ごとに大きく異なることがあげられる。
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