外科的乳頭切除術の適応と実際

Indications and practice of surgical papillectomy for ampullary tumor

はじめに

　外科的乳頭切除術（surgical papillectomy：SP）は，早期十二指腸乳頭部癌および十二指腸乳頭部腺腫に対する縮小手術として考案された術式である^{1, 2）}。現在，内視鏡的乳頭切除術（endoscopic papillectomy：EP）の普及に伴い，腺腫に対するSPの適応はより限定的となっている。またSPの適応となるような早期十二指腸乳頭部癌では膵頭十二指腸切除術（pancreatoduodenectomy：PD）を施行すれば，ほぼ100％の5年生存率が期待できるため，SPの適応判定は厳格でなければならない。