特集 咽喉頭・頸部食道癌を見逃すな-拾い上げから治療まで
咽喉頭、頸部食道癌のESD/ELPS 頸部食道表在癌のESD 適応と手技
由雄 敏之
1
,
泉本 並木
,
石山 晃世志
,
土田 知宏
,
並河 健
,
渡海 義隆
,
吉水 祥一
,
堀内 裕介
,
平澤 俊明
,
藤崎 順子
1がん研有明病院 上部消化管内科
キーワード:
喉頭鏡法
,
静脈麻酔
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
全身麻酔
,
治療成績
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Esophagoscopy
,
Treatment Outcome
,
Laryngoscopy
,
Esophageal Neoplasms
,
Anesthesia, General
,
Anesthesia, Intravenous
pp.1884-1891
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021086322
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頸部食道癌は食道癌の約5%を占めるとされる。進行癌では気管や大血管などが密集する領域であり隣接臓器浸潤の頻度が高く、外科手術の際は喉頭の合併切除が必要となり侵襲性が高い。しかし表在癌として診断されれば、内視鏡的切除は技術的に困難を伴う場合もあるが胸部食道癌と同様に低侵襲に切除できる。診断において頸部食道は癌を見逃しやすい部位であり、注意が必要である。十分な鎮静のもとに狭帯域光で観察するとよい。内視鏡的切除においては患者の全身状態と病変の部位および大きさから静脈麻酔か全身麻酔かを選択し、喉頭展開の必要性について決めてESDまたはEMRを行う。内視鏡的切除後の病理診断をもとに転移リスクと患者状態を勘案して追加治療について検討する。その基準は胸部食道癌と同様であるが、頸部食道癌においては喉頭温存の観点から外科手術より化学放射線療法が選択されることが多い。
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