特集 咽喉頭・頸部食道癌を見逃すな-拾い上げから治療まで
ハイリスク群に対する咽喉頭・頸部食道の精密観察 拡大内視鏡を用いた頸部食道精密診断
小野 陽一郎
1
,
八尾 建史
,
植木 敏晴
,
太田 敦子
,
田邉 寛
,
原岡 誠司
,
岩下 明徳
1福岡大学医学部附属筑紫病院 消化器内科
キーワード:
局所解剖学
,
腫瘍侵入性
,
食道鏡法
,
食道腫瘍
,
前投薬
,
検査予測値
,
精神鎮静法
,
狭帯域光観察
Keyword:
Esophagoscopy
,
Predictive Value of Tests
,
Premedication
,
Esophageal Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Anatomy, Regional
,
Narrow Band Imaging
pp.1855-1863
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021086318
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頸部食道は、その複雑な解剖学的構造や特徴的な生理機能を有するがゆえに上部消化管内視鏡検査において観察が難しい領域とされている。しかし当科での検討では、頸部食道癌における拡大内視鏡を用いた診断能は胸部食道癌における診断能と同等であった。日常診療において内視鏡を用いた深達度診断は通常白色光観察を基本とし、深部浸潤を疑う関心領域を同定したのち拡大内視鏡観察を応用する。しかし頸部食道では病変の伸展性や硬さを評価することが難しくなり、深達度診断や関心領域の同定に苦慮する症例も存在する。頸部食道癌に対して、拡大内視鏡観察に加えて通常白色光観察も含めた内視鏡診療の精度を高めるためには、頸部食道の複雑な解剖学的構造や特徴的な生理機能を理解し、工夫を加えた内視鏡観察を心がけることが肝要である。
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