診療controversy medical decision makingのために 膵石のある慢性膵炎の治療
膵管ステンティングの立場から
瀬座 勝志
1
,
山口 武人
1千葉メディカルセンター 消化器内科
キーワード:
砕石術
,
膵管
,
ステント
,
治療成績
,
膵石
Keyword:
Lithotripsy
,
Pancreatic Ducts
,
Stents
,
Treatment Outcome
pp.507-511
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012175493
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腹痛症状を有する膵石症に対し、体外衝撃波結石破砕療法(extracorporeal shockwave lithotripsy:ESWL)や内視鏡的膵管ステンティング(endoscopic plastic chub stenting:EPS)を組み合わせた治療が行われる。中でも疼痛を有し、尾側主膵管の拡張を伴う主膵管狭窄に対しては、膵石排石の良否にかかわらずEPSが必要となることが多く、実際膵石治療後のEPSは主膵管狭窄を有する症例の再発リスクを0.35倍と、有意に減少させることが報告されている。自験例でも膵石の完全排石後の主膵管狭窄に対するEPS群と経過観察のprospective controlled studyでは、EPS群での疼痛再発率(20%)が経過観察群(45%)に比べ有意に低下していた。最近では金属ステントを応用した試みも報告されている。いずれにしても主膵管狭窄を有する膵石症において、膵石の排石のみでは再発に対して不十分であり、EPSが必須と考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012