特集 臨床医に必要な対策型胃内視鏡検診の知識
経鼻内視鏡による胃内視鏡検診のコツ
川田 研郎
1
,
中島 康晃
,
東海林 裕
,
山口 和哉
,
松井 俊大
,
星野 明弘
,
絹笠 祐介
1東京医科歯科大学 消化管外科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
鼻腔
Keyword:
Stomach Neoplasms
,
Mass Screening
,
Nasal Cavity
,
Gastroscopy
pp.1830-1835
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020105046
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対策型胃内視鏡検診に内視鏡が用いられるようになり、受容性の高い経鼻内視鏡へのニーズが高まっている。経鼻内視鏡は年々改良が重ねられ、経口内視鏡と遜色のない高画質の画像が得られ、さらにNBIやBLI、LCIなどの画像強調内視鏡を併用することで、早期がんの拾い上げも十分に行えることが期待されている。Helicobacter pylori感染歴がなく、過度の飲酒・喫煙歴のある食道がんハイリスク例においては、胃がんの拾い上げのみならず、口腔~咽喉頭~食道の扁平上皮領域も重点的に観察することでより効率的な検診が可能となる。経鼻内視鏡を用いれば、これまで経口内視鏡の死角となっていた中下咽頭を、咽頭反射が少ない利点を生かし時間をかけてより精密に観察でき、バリウム検診では早期診断が不可能だった頭頸部領域の「がん検診」に活用できる可能性を秘めている。本稿では食道がんハイリスク例への経鼻内視鏡による胃内視鏡検診のコツについて解説する。
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