特集 臨床医に必要な対策型胃内視鏡検診の知識
見逃し症例からどう学ぶ
入口 陽介
1
,
小田 丈二
,
水谷 勝
,
冨野 泰弘
,
山里 哲郎
,
依光 展和
,
園田 隆賀
,
大島 奈々
,
岸 大輔
,
橋本 真紀子
,
山村 彰彦
,
細井 董三
1東京都がん検診センター 消化器内科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
腫瘍侵入性
,
品質管理
Keyword:
Stomach Neoplasms
,
Gastroscopy
,
Quality Control
,
Neoplasm Invasiveness
pp.1784-1794
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020105039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
見逃しのない精度の高い内視鏡検査を行うためには網羅性のある観察撮影法が必要と考え、当センターでは動画と静止画を分析し、2008年4月から施設として統一した胃部内視鏡観察撮影37枚法を導入した。また、生検偽陰性を防止するために生検時の撮影法も統一した。その成果と課題を明確にするために、いわゆる見逃し例の逐年および隔年発見胃がん270例を対象として、臨床病理組織学的に検討した。逐年発見早期胃がん率97.7%、隔年発見早期胃がん率92.5%と高率であり、病変部位は、前回内視鏡像1~2コマで全例標的部位として撮影されていた。しかし逐年、隔年進行がんを9例に認め、部位別にみると、U領域78%、後壁44%が高率であった。前回画像からの分析では、異常所見の拾い上げ困難3例、軽微な所見であるが拾い上げが可能4例、観察不良2例であった。以上から、本観察撮影法を用いて、十分な網羅性と軽微な所見を適切に拾い上げるためには、症例を蓄積して診断能を向上させることが重要である。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.