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症例をどうみるか 口蓋扁桃摘出術の術後出血により血液凝固異常症と判明した1例
井上 なつき
1
,
吉川 衛
1東邦大学医療センター大橋病院 耳鼻咽喉科学講座
キーワード:
von Willebrand因子
,
血液凝固異常
,
血液凝固第VIII因子
,
扁桃炎
,
扁桃摘出術
,
出血-術後
Keyword:
Blood Coagulation Disorders
,
Factor VIII
,
von Willebrand Factor
,
Postoperative Hemorrhage
,
Tonsillitis
,
Tonsillectomy
pp.515-517
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2019197215
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19歳男。1年半前から急性扁桃炎を繰り返すようになったため手術目的で当院に紹介された。術前検査で血液凝固系に異常は認められなかった。全身麻酔下に両側口蓋扁桃摘出術を施行し、手術当日に術後出血は認めなかった。翌日に少量の術後出血を認め、出血部位は確認できなかった。術後出血をきたす明確な理由が思いあたらないため、出血素因が存在する可能性を考えて血液検査を行ったところ、術後9日目に第VIII因子とフォンウィルブラント因子の低下による血液凝固異常症であることが判明した。このとき出血はなくなっていたため特に治療は行わず、術後10日目に退院とした。
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