連載
症例をどうみるか 振子様扁桃を呈して準緊急に扁桃摘出術を施行した小児血管腫例
浜田 登
1
,
野田 和洋
,
峯田 周幸
1静岡県厚生農業協同組合連合会遠州病院 耳鼻咽喉科
キーワード:
嘔吐
,
悪心
,
血管腫
,
X線CT
,
扁桃腫瘍
,
扁桃摘出術
Keyword:
Nausea
,
Hemangioma
,
Vomiting
,
Tonsillectomy
,
Tonsillar Neoplasms
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1523-1526
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2020037388
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症例は7歳男児で、1年前の就学時健診で右側のみ口蓋扁桃肥大を指摘されていた。初診前日の18時から頻回の嘔気・嘔吐が出現し、21時から唾液に少量の血液が混じり、出血が止まらず、初診日の深夜と翌日早朝に近医を受診した。口腔内腫瘤からの出血を指摘され、当院救急外来へ紹介となり、その後、当科コンサルトとなった。手術所見では術前診察で観察した口腔所見と異なり、術野では腫瘍が後方の咽頭腔へ偏位していた。腫瘤は右口蓋扁桃上極から有茎性に連なり、振子様扁桃を呈していることが確認された。確定診断および治療目的に腫瘍と右口蓋扁桃を一塊にして摘出した。HE染色で腫瘍の半分以上は壁が薄い大小の腔が占め、強いうっ血、虚血に伴う各種細胞の凝固壊死傾向を認め、血管腫と診断された。口蓋扁桃摘出術の術後と同様に入院管理を行い、術後7日目に退院となった。
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