連載
症例をどうみるか 両側内リンパ囊腫瘍を認めたvon Hippel-Lindau病の1例
矢野 流美
1
,
峯田 周幸
1浜松医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
von Hippel-Lindau病
,
血統
,
MRI
,
鑑別診断
,
難聴-感音性
,
テント下腫瘍
,
オージオグラム
,
内リンパ嚢腫瘍
,
腹部CT
Keyword:
Infratentorial Neoplasms
,
Diagnosis, Differential
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Hearing Loss, Sensorineural
,
Pedigree
,
von Hippel-Lindau Disease
pp.391-394
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2019178840
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症例は12歳女児で、右耳閉感と回転性めまいを自覚し、近医耳鼻咽喉科で右聴力低下を指摘された。頭蓋内病変を疑い頭部MRIを施行するも病変は認めなかった。その後、右聾となり、左聴力の低下も認めたため、精査加療のため当科紹介となった。再度頭部MRIを施行したところ、右後頭蓋窩に前庭水管由来の腫瘍が疑われた。家族歴からもvon-Hippel Lindau病に伴う内リンパ嚢腫瘍の可能性が考えられた。右内リンパ嚢腫瘍の摘出術が施行され、左耳聴力を温存する目的で左内リンパ嚢腫瘍摘出術が施行された。その後消化器外科にて骨盤内腫瘍摘出術も行われた。病理検査ではHE染色で3部位の検体とも類似した所見を示しており、papillary cystadenomaに類似した所見であった。明らかな悪性像はなく、上皮異型度はadenoma相当であった。
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