連載
症例をどうみるか 咬筋内に発生した静脈性血管瘤の1例
平野 愛
1
,
渡邊 健一
,
香取 幸夫
1東北大学 医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
キーワード:
咬筋
,
MRI
,
超音波診断
,
X線CT
,
Venous Aneurysm
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Ultrasonography
,
Masseter Muscle
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.119-122
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2019098562
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37歳女。右頬部腫瘤を主訴とした。頸部MRIにて右咬筋内に径20×10mmの境界明瞭な腫瘤影を認めた。T2強調画像では高信号な腫瘤内部に低信号の箇所を含み、T1強調画像では筋と等信号な箇所を主体とし、一部高信号な箇所を含んでいた。保存的に経過観察後、腫瘤の増大傾向を認め、手術を行い、腫瘤病変の周囲を剥離し、摘出した。病理学的検査では内腔を器質化した血栓を伴う拡張した静脈を認め、その近傍には変性した血液とEM染色で緑色に染色された膠原線維の同心円状の堆積からなる充実性腫瘤が認められた。以上より、器質化した血栓をともなう静脈性血管瘤と診断した。術後は良好で、合併症は認めず、術後4日目に退院し、術後3ヵ月の時点で再発は認めなかった。
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