研究
腹膜透析カテーテル接続チューブ内への脂肪酸カルシウム塩沈着に関する検討-原因と対策
伊原 史崇
1
,
高山 潔
,
初鹿野 公大
,
前田 益孝
1JAとりで総合医療センター 腎臓内科
キーワード:
カテーテル法
,
留置カテーテル
,
腹膜透析
,
機器機能不全
,
Palmitoleic Acid
,
管状器具
Keyword:
Catheterization
,
Catheters, Indwelling
,
Peritoneal Dialysis
,
Equipment Failure
,
Palmitoleic Acid
pp.675-678
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2020083004
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腹膜透析カテーテル接続チューブへの白色物質沈着度の経過を定性的、定量的に計測し、他の臨床パラメータと接合不良との関連性、白色物質の発生を誘発する背景因子に関して検討した。無菌接合装置を使用し腹膜透析を施行している8名(男性4名、女性4名)を接合不良群2名、接合良好群6名に分類した。白色物質の沈着度と再接合強度について、定性的判定、定量的判定のいずれに関しても再接合強度の低下と線型的に相関していた。白色物質の沈着度が強いほど再接合強度は低く、脂肪酸Caが一度沈着したチューブのレーザー透過率が改善することはなかった。白色物質の成分をガスクロマトグラフィー法により解折した結果、その成分はパルミチン酸Ca・ステアリン酸Ca・ミリスチン酸Caを主成分とする脂肪酸Ca塩で構成されていた。白色物質が沈着したチューブを密閉状態で80℃にて湯煎した結果、チューブ内面の白色物質の沈着度に変化はみられなかった。チューブ内面に沈着した白色物質はエタノールでの拭き取りにより容易に除去され、同検体を再接合したところ、接合強度は88Nから240Nまで回復した。
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