症例
慢性腹痛に対し過敏性腸症候群として管理されていた乳糖不耐症の9歳男児
藤田 雄治
1
,
照井 エレナ
,
澤田 大輔
,
林 美幸
,
高田 展行
,
木下 香
,
有馬 孝恭
,
四本 克己
,
諏訪部 信一
1国保直営総合病院君津中央病院 小児科
キーワード:
誤診
,
乳糖不耐症
,
腹痛
,
過敏性腸症候群
,
遅延診断
,
食物負荷試験
,
アレルゲン除去食
Keyword:
Lactose Intolerance
,
Abdominal Pain
,
Diagnostic Errors
,
Delayed Diagnosis
,
Irritable Bowel Syndrome
pp.1051-1053
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019300647
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9歳男児。腹痛、下痢を主訴とした。4歳頃から主訴を認め、過敏性腸症候群として整腸薬などで管理されていたが、血液検査で末梢血好酸球数と総IgE値の上昇を認め、好酸球性消化管疾患の鑑別目的で紹介受診した。全身麻酔下に上下部消化管内視鏡検査を行い、観察範囲全部位で生検を行ったが、病理組織所見では好酸球浸潤は殆どみられなかった。過去、ヨーグルト摂取後に腹痛が出現したことがあり、乳の関与を考慮して乳除去試験を行ったところ、乳完全除去から1週間後より腹痛、下痢が消失し、乳含有の加工品摂取により再度腹痛を認めた。また、乳糖負荷試験で症状が誘発されたことより、乳糖不耐症と診断して乳除去を行い、症状は消失した。慢性腹痛の患者、特に過敏性腸症候群として管理されている児においては、乳頭不耐症の可能性を検討すべきであることが示唆された。
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