特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
進行神経芽腫外科治療における術中・術後合併症
小松 秀吾
1
,
齋藤 武
,
照井 慶太
,
中田 光政
,
原田 和明
,
秦 佳孝
,
古金 遼也
,
工藤 渉
,
吉田 英生
1千葉大学医学部附属病院 小児外科
キーワード:
横隔膜
,
血管疾患
,
術後合併症
,
術中合併症
,
神経芽腫
,
腸閉塞
,
肺水腫
,
出血-術後
,
腫瘍-残遺
,
後向き研究
,
治療成績
Keyword:
Diaphragm
,
Vascular Diseases
,
Intraoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Neoplasm, Residual
,
Postoperative Hemorrhage
,
Intestinal Obstruction
,
Neuroblastoma
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Edema
pp.295-298
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182069
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当科で腫瘍摘出術を行った進行神経芽腫29例(男児10例、女児19例)の術中・術後合併症について検討した。その結果、術中合併症は8例(28%)に認められ、内訳は大血管損傷が7例、横隔膜損傷1例であり、いずれも腫瘍との強固な癒着が合併症発生の原因であった。術中合併症発生例は非発生例と比べ術前IDRF陽性例が有意に多かった。また、5年生存率は術中合併症発生例で33%と、非発生例の56%に比べ予後が悪い傾向にあった。術後合併症は3例で認められ、内訳は後出血、肺水腫、腸閉塞が各1例であった。腫瘍遺残を許容する治療方針への変更前後の比較では、後期群で循環血液量に対する出血量が有意に減少し、合併症は減少傾向を示した。尚、局所再発、5年生存率に関しては2群間で有意差を認めなかった。
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