特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
直腸球部尿道瘻根治術後の難治性吻合部狭窄
清水 隆弘
1
,
森 昌玄
,
鄭 英里
,
渡辺 稔彦
,
平川 均
,
上野 滋
1東海大学 医学部外科学系小児外科学
キーワード:
鎖肛
,
MRI
,
手術創離開
,
ショック-敗血症性
,
直腸瘻
,
尿道疾患
,
尿瘻
,
尿路感染症
,
膿瘍
,
注腸造影
,
結腸造瘻術
,
吻合部狭窄
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Barium Enema
,
Abscess
,
Rectal Fistula
,
Urinary Fistula
,
Shock, Septic
,
Colostomy
,
Urethral Diseases
,
Urinary Tract Infections
,
Surgical Wound Dehiscence
,
Anus, Imperforate
pp.269-273
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182063
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3歳10ヵ月、男児。既往として日齢1のinvertgramで中間位鎖肛と診断され、S状結腸に人工肛門を造設した。今回、生後4ヵ月時に行った結腸造影および排尿時膀胱尿道検査で発見された直腸球部尿道瘻に対して、生後8ヵ月時に仙骨会陰式肛門形成術を施行した。しかし、術後1日目より尿路原性敗血症、敗血症性ショックを合併し、術後6日目まで人工呼吸器装着、グロブリン製剤の投与などの集中管理を要した。更に直腸皮膚吻合部の縫合不全、直腸背側の膿瘍形成を合併したため、保存的に連日、創洗浄を行い、1歳6ヵ月時に人工肛門閉鎖を行ったが、1ヵ月後に直腸皮膚吻合部位狭窄を発症した。保存的治療では難治性を示したため、2歳3ヵ月時と3歳1ヵ月時に瘢痕組織を切開することで狭窄解除を試みるも狭窄症状は改善しなかった。そこで、瘢痕組織の全周性切除および直腸と皮膚の再吻合を行った。その結果、再吻合術後5ヵ月経過現在、瘢痕狭窄の再発は認めず、自力排便も認められている。
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